鉄コルンブ石 (Ferrocolumbite)
FeNb2O6
Big Smoke mine, Custer Co, South Dakota, U.S.A
鉄とニオブの酸化鉱物である。結晶の横幅3cm。小さいけど重い。
ペグマタイトに産することが多く、国内でも茨城県山ノ尾、福島県石川や岐阜県田原など大規模なペグマタイトがあるところで見つかっている。
堀さんの「楽しい鉱物図鑑」に”微量のウランやトリウムを含有するために弱い放射能を持っている。”となっている。とりあえずコルンブ石自体は放射能を持っていない。
周期表のNb(ニオブ)のあたりまでくると、高校時代を思い出してしまう。化学の先生が次の授業までに周期表Xe(キセノン)まで暗記してくるようにと言う宿題を出した。そしてその授業の日はなんとわたしの出席番号…これは絶対にあてられるなと。
しかし元来めんどくさがりな性格なので当日の朝、通学電車の中で周期表を眺め、頭の中に写真を撮っておいた。どういうことかというと周期表を繰り返し言って暗記するのではなく、一枚の写真として頭の中に入れ、記憶しておくというもので、暗記させられるときには表自体を頭の中に再現するというそういう方法。
そして、やっぱりあてられた。立って暗唱させられるので、立ってから目を閉じて、頭の中に表を再現し、順番に言っていく。セレンあたりまではすらすらと出てきたが、臭素から辛くなってきた。元素記号は出てくるが、小さく書いてあった元素名称が曖昧になっている。つっかえながらも何とかモリブデンまでたどり着き、Tc(テクネチウム)で、「チ」が「ニ」に見える。次がルテニウムだし、ちょっと前にはジルコニウムがあったし、そこで「テクネニウム」と言ってしまった。ルールで「間違えて言った場合は初めっから」というのがあったから、化学の先生は「あーあ」と。
ま、授業の時間の関係もあって「初めから」は無しになり、無事キセノンまでたどり着いた。あてられたのはわたしの前に5人ほど。だが全滅していたから先生はイライラしていると。まぁ途中でダメージをくったが最後までたどり着いた勇者にはなれた。しかしなんの役に立ったんだろうこの暗記…。
South Dakotaはペグマタイトが多く存在する場所みたいだ。いくつかの鉱山があり、コルンブ石はそこでの目玉標本のような感じになっている。

HOME