藍銅鉱 (Azurite)
Cu3(CO3)2(OH)2
静岡県河津鉱山
このホームページの看板である。
横幅は1.5cm。どうやってこれを大きく撮ろうかで結構試行錯誤をしたが、結局テクノロジーに頼る他はなく、最近の技術革新には本当に驚かされてしまう。左側の濃い部分にはちゃんと結晶がついているが大きさはルーペサイズよりむしろ実態顕微鏡サイズと言ったところかもしれない。
鉱物の世界に入る切っ掛けになったのは、黄鉄鉱を採りに高校の地学の先生に小4の時に連れて行ってもらったことだが、いろいろな鉱物を図鑑で見ているうちに一番憧れたのがこれ、藍銅鉱である。購入ではなく自分の手で採集することに意義を感じていたので(今となってはある意味で自力採集をあきらめさせられている)、初めて河津鉱山に行ったときはバス停の上のズリ石を割りながら必死に探したのではあるが、とにかく運が悪かったのか3回目の訪問でやっとこれを見つけた。憧れていたものに出会えた瞬間というのはいつまでも覚えているものだ。でももっと良いものを初めての訪問であっさり見つけている人もたくさんいるのでわたしには縁がなかったのだろう。そして河津鉱山は採集禁止みたいに今なっているという。
コベリン(銅藍)と違って藍銅鉱は藍色透明で条根色も藍色。このために乳鉢で細かくすりつぶして膠を混ぜ藍色の顔料とし、日本画などで使われている。これを岩群青という。
銅の二次鉱物で銅鉱山の多い日本では産地も多いが産出量は少なく、せっかく藍銅鉱になったのに不安定で孔雀石に変わってしまうこともある。

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