斧石(鉄斧石) (Axinite)
Ca2Fe2+Al2BSi4O15(OH)
静岡県入島

薄紫色をした部分が本鉱。細かく結晶していて光をよく反射する。右の写真の横幅が1cm。
母岩は輝緑岩で白い部分はダトー石と方解石。この標本では輝緑岩の割れ目に沿って熱水が入りまず鉄斧石を、続いてダトー石と方解石を晶出させたと推測される。
方解石が軟らかく風化に弱いので、斧石が浮き出ている。酸を使って方解石を溶かしてしまえばもっと結晶面が出てくるかもしれない。
ここは安部川の上流部に当たり、砂金で有名な梅ヶ島温泉へ行く途中にあるが、主に堆積岩と弱変性された黒っぽい頁岩のような物が多くあり、また石英の塊も多く存在している。斧石を含む礫は多くなく、何度かの訪問の後やっとお目にかかることができた。と思ったら一抱えもあるような大きい礫も存在した。白い部分は石英だったり、方解石だったりするが、酸を使えば区別は簡単にできる。
鉄斧石は大分県の尾平鉱山の物が有名。

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