燐灰石(弗素燐灰石) (Apatite)
Ca5(PO4)3F
Paisa Squeira ポルトガル
これは透明で6角形板状の結晶で、かつて足尾銅山でとれたものと同じタイプをしている。
人の歯や骨などで身近なものは水酸基が元になっている水酸燐灰石(ハイドロオキシアパタイト・この名前でピンと来る人もいるはずさきちゃんみきひさくん芸能人は以下略)である。これに対し、フッ素を含むものをフッ素燐灰石といい、鉱物としてはこれが最も多い。また、塩素を含むものを塩素燐灰石というが、こちらはかなり希になる。
燐は普通に食事をしていれば不足することのないミネラルで、近年ではむしろ摂取過剰状態になっている。もう一つ過剰状態なミネラルはナトリウムである。燐の摂取量は食品の欧米化に従って増えてきたもので、食文化の変化からだが、ナトリウムはと言うとむしろ摂取量はずっと減っている。
骨が水酸燐灰石でできていることが、土葬文化のあるところではもう一つおもしろい現象が見られる原因と考えられている。これもピンと来る人がいるかもしれないが、いわゆる人魂である。燐は発火点が低く燃えやすいところから来た説であるが、土葬の場合は骨が微生物などによって分解していく過程で燐が濃集し、何らかのきっかけで発火するというもの。まぁ、無理があると言えば、無理がありすぎる説ではある。

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