自然アンチモン (Antimony)
Sb
Pezinok Bratislava スロバキア
アンチモンは砒素と同族の金属で様々な用途に用いられてきたが砒素同様人体に対して毒性のあることがわかり利用の巾は次第に限定されてきている。嘗ては活字金の材料として(鉛が80%、アンチモンが13%、錫が7%)使われていた。アンチモンが他の金属とは逆の、液体から固体に変わるときに体積が増えるという性質を利用して、体積変化の少ない合金を作り、それが型に流し込んで固めたときに、元の型の大きさと同じものを作ることができるという活字金には重要な意味を持っていたからだ。ご存じの通り現在活字はほとんど作られず、ワープロ文化が進んだおかげで、現在アンチモンは主に半導体の原料として用いられている。
この標本では細い脈状に入っている明るい金属光沢のある鉱物がアンチモンで、母岩にあたるものは持ってみた感じあまり重くなく、金属鉱物とは思えずおそらく黒色頁岩のようなものではないかと思う。
スロバキアのここは紅安鉱の産地としても有名だ。

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