鋭錐石 (Anatase)
TiO2
山梨県竹森
非常に細かく結晶の一つ一つが1o程度しかないためにかなり近づいてマクロ撮影をした。黒色でギザギザした錐状の鉱物が鋭錐石。
前に紹介した標本は引っ越しの時に行方不明になってしまったので、もっと結晶が小さいこの標本を撮影したのだが、なんとか特徴を押さえるものになった。ただし、前の標本は茶色の鋭錐石だっただけにこれは黒いのでちょっとがっかりしている。
いくつか見える茶色で板状の鉱物は板チタン石。同じ二酸化チタンの鉱物なのだが、別の結晶として同時に存在するのが非常に不可思議でおもしろい。
これは粘土を被っていてズリでは鋭錐石がついているかどうかほとんどわからないが、カンでこれにあるだろうと目星をつけて採集したものが見事に当たったという思い出のある標本。
そのほかにここでは同じ酸化チタンのルチルの産出も報告されている。
ルチルと鋭錐石、板チタン石はどれもTiO2で、同質異像の関係になっている。

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