めのう(瑪瑙)(Agate)
(SiO2)
静岡県仁科大浜
草下英明氏が「鉱物採集フィールドガイド」を出版したのが1982年で、その頃は鉱物を趣味とする人はほとんどいなかった。わたし自身、標本が売られている場所は東京神田神保町の三省堂本店ぐらいしか思いつかなかったし、標本を見てもこれが欲しいっ!っていうものが無かったので、鉱物とはちゃんと採集に行って初めて手にするものだと思っていた。しかし実際に産地まで行くには先立つ物が必要だし、とにかく情報が少ない。築地書館のガイドやコロナ社のガイドは天文分野を除く地学全般に渉っていて鉱物だけに限った情報量は少なく、中学、高校生向きだし、一般の方を対象にしたガイドは「鉱物採集の旅」シリーズとこの「鉱物採集フィールドガイド」が全てだったと思う。
この中に仁科大浜は簡単に紹介されている。草下氏のガイドでは後に立ち入り禁止になったり歴史的産地となったりした場所もあるが、ここはまだちゃんと採集ができる。
両方の標本ともサイズは2cmぐらい。ここのめのうは大きい物だと10cm近い物が見つかることもあるが、全て乳白色で、稀に碧玉をちりばめたような感じの模様を伴う物も見つかる。濡れているうちは半透明となり、光が当たると若干蛍光色のような存在のある姿をしている。また、水晶を伴い縞模様のはっきりとしためのうもある。
左側のものは中が飴色透明になっていて、ここではほとんど見たことがなかった。
右側の物は塗らすとはっきりとした縞模様が現れる。ここではこちらのタイプが一番多い。
夏場は海水浴場となるため多くの人が訪れるが、それ以外の季節は閑散としていて落ち着いて採集ができる場所である。

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