リチア電気石(Elbaite)
Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
Jos Plateau ナイジェリア
標本の横幅は9cm。同じものを正面と下からの2方向から撮影した。それぞれ結晶の様子が良くわかると思う。
リチア電気石は国内ではブラジルやアフガニスタン、マダガスカルのものが多く流通していて、たいていの標本はそのいずれかの産地の物になっていると思う。これはナイジェリア産でちょっと珍しかったので購入した。
透明度が高いものは宝石市場の方へ行ってしまうので、例によって鉱物標本市場には、宝石としては成り立たないものが入ってくる。透明でクラックのないものが宝石では求められていて、結晶としての完全さや産状、共生鉱物の存在などは鉱物標本の方で要求されるため、どちらも利用価値があるのだ。もっとも値段は月とすっぽんであり、扱い方がずいぶん異なる。
リチア電気石は出てきたものの見栄えをよくするために表面を酸で洗浄しているが、酸の薬品配合などはかなり微妙らしく、ちょっと間違うと大きく見栄えを損なってしまうらしい。このあたりも半ば企業秘密だそうだ。
近年のトルマリン効果で一番迷惑したのがこの鉱物であることは周知の事実である。
真っ黒な鉄電気石などは破片を大量に袋に詰めてそのまま枕に使ったりとか、粉にして絨毯にすき込ん?だりしてトルマリンカーペットとかめちゃくちゃな商品が出回ったこともあるし、最近では浄水器に使われてイオン水を作るみたいな効果で出されているものもあるが、そういう商品の紹介には必ずと言っていいほど、「リチア電気石は数ある電気石の種類の中でももっとも効果があります」などと言われて紹介されている。まぁ、そういう言葉に踊りたければ踊ればいいのであるが、徒に値段を引き上げるようなことが起こらないようにしていただきたい。家は貧乏なので。

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