平成13年1月15日(月)付 石巻日々新聞コラム「暖流寒流」


新世紀を迎えたというのに、こちらの中身は相変わらず。新年早々から凄い人と再会し、多いに反省させられた 年明け早々から新年会が続き、連日の飲み過ぎでグロッキー気味。そんななか、四十年来のお付き合いをいただいている大先輩のAさんと再会した。会場は十三日夜、グランドホテルで開かれた石巻市体育協会恒例の新年会の席 いつもと変わらないにこやかな表情。まずはお互いに「元気でなにより。お変わりありませんか」のあいさつ。「おいくつになられました」「ハイ、九十二歳です」。「見えませんね−。お元気でいいですね」。ここまでは型通り ひと呼吸おいてAさんは「実は昨年、病気をしましてね」と口を開いた。何と、六月に肺ガン、そして九月には胃ガンを手術したと言うのだ。その後の言葉がふるっている。「半年に二つのガンを乗り越えたのだから、これでガンマンを越えたね」 その表情に気負いは全くない。いつも通り「スボーツマンの集まりはいいね」。さらに驚いたのは、立食パーティーというのに、杖も使わず、シャンと立ったまま。肺ガンが回復したので、ネンリンピックに出ようと、検査を受けたら胃ガンが発見されたと淡々としたもの。 Aさんは往年のボートの名選手。最近まで、正月の初漕ぎに参加している。ふた回り以上離れた大先輩の元気さ。二日酔いのボラ眼に一撃を食らった感じ。節制して来年の再会に備えるか…。



● Aさんとは、「相澤 悦」大先輩であります。小樽潮陵、東京外国語大学で活躍されました。
  エスキモーでもカヌーをやっていたとのこと。一度お会いしたら心が洗われる素晴らしい大先輩です。
  平成5年11月3日勲6等単光旭日章を天皇陛下より賜りました。
  現在、日本ボート協会顧問・宮城県ボート協会最高顧問・石巻ボート協会名誉顧問。




              
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